誰かが編集したネット上の情報ではなく
ひとりの著者による本を読むべし
本を読む人だけが手にするもの
藤原和博 著
読書離れがいわれるなか、気になる情報はスマホで手に入れているからいいと安心している人も多いだろうと思います。しかし本書を読むと「あなたが人事部長だったら、電車のなかでスマホをしている人と、読書をしている人のどちらを採用するだろうか」という問いかけがあり、どきっとしてしまいます。
著者は元リクルート出身で、東京都で初めて民間採用された公立中学校校長として注目された教育評論家。将来、教育やお金のあるなしではなく本を読む人と読まない人で格差が広がると予測し、成熟社会では本を読まないと生き残れないと断言します。
創造性の高い仕事で高額報酬を得る一流弁護士やコンサルタント、アーティストは、必ず本を読んでいます。自分を彼らに近いレベルに引き上げたいなら、読書を通して幅広い知識や見識を身に付け、自分なりの価値観を導き出す力が必要と述べます。
本書は読書法や、おすすめの本の紹介を紹介するブックガイドとしての使い方もできます。
乱読で構わないのでまずは読書を習慣化しようという問いかけに、スマホを眺めている時間を読書にシフトしようという気持ちになれる本でもあります。
2015年11月3日 1:20 PM