現代でも解明できない多くの謎!アンデス文明最後の国に興味津々
丸山が以前から興味を引かれていた南米のインカ帝国。その貴重な考古学資料などを展示・公開する『マチュピチュ「発見」100年 インカ帝国展』がこの夏、福岡で開催され、さっそくおじゃましてきました。
アンデス文明最後の国家といわれるインカ帝国。13世紀に成立し16世紀にスペインによって滅ぼされた国で、南米大陸の太平洋岸に広がっていました。13世紀から16世紀といえば、日本では鎌倉から平安時代、ヨーロッパではルネッサンス運動華やかりし頃に当たりますが、この300年足らずの間に、この国は驚異的な発展を遂げています。
まず驚くのが国土の広さ。太平洋岸のペルーからチリ北部まで、南北4000キロにわたっていました。日本列島の南北が台湾に近い与那国島から宗谷岬までおよそ3500キロといわれていますから、4000キロといえば与那国島から軽く台湾を越した先、中国本土までの距離に相当します。
次に驚くのが文字がなかったこと。インカ帝国はアンデス文明と呼ばれる文明下にあったのですが、アンデス文明自体が文字を持たない文明で、代わりに縄の結び目で情報を記録するキープという手段がありました。
驚きはまだあって、車輪というものがありませんでした。ということは、荷車などもなかったということです。そして、鉄器がなかった。金や銀の鋳造技術はありましたが、石などの硬いものを加工する道具はなかったということです。
にもかかわらず、2000メートル級の高地に住みながら、石を積み上げて国をつくり、最盛期には80の民族と1600万人という人口をかかえていました。1600万という数字は、現在の東京の昼間人口に当たります。
本展に展示されている少女のミイラ
(パンフレットより)
どうやって10トンもの石を持ち上げた?
展覧会ではトウモロコシやジャガイモなどの農耕技術、織物や酒器、飾り物、ミイラ崇拝などの宗教など、文化にまつわる展示品を多数、目にできて圧巻でしたが、特に印象に残ったのが空中都市マチュピチュをコンドルの視点から見せてくれた3D映像です。
これを見ると、インカ帝国がいかに耕地もない山間部にあったか、その耕地を造るために精緻に石を積んでいたか、さらには天体の動きをしっかりとらえていたかなどがよくわかり、感動を覚えずにいられませんでした。
ところが、こんな3D映像を現代人は作りながら、5トン10トンもある巨石を、鉄器も荷車ももたない民族がどのようにしてあの狭い斜面に持ち上げたのか、理由を解明していないのです。
インカ帝国の石積みの技術を実感できる模型。
こんなミステリアスなところが私の興味を引いて止まないのですが、みなさんはいかがでしょう?
2013年9月17日 3:18 PM