民主化で広がりゆくミャンマーのビジネスチャンス 日本人に近い国民性はパートナー向き?
この3月、会員である福岡県中小企業家同友会が主催した海外視察「ミャンマーセッション」に参加してきました。そこで、今回から2回にわたり、その時の模様をレポートします。
今回、視察させていただいた印刷所。
ミャンマーといえば、少し前まで軍事政権が敷かれていた国ですが、2008年から徐々に民主化が図られ、同12年には新外国投資法が成立。外国企業の投資申請がスピードアップする見込みで、海外から同国への企業進出はますます増加すると期待されています。
そんな機運のなか、福岡県中小企業家同友会でもビジネスが広げられるのではないかと現地視察を計画し、このたびの「ミャンマーセッション」開催が実現。弊社もビジネス拡大を目的に参加したというわけです。
人柄は温和、手先が器用で仕事はていねい
その昔、ビルマと称したこの国はもともと親日的で、国民性も温和。識字率も高く、手先が器用であるなど日本人に近いといわれています。実際、現地の企業を視察したところ、経営は家族的ながら要所要所でマネージャーが全体に目配りしており、組織的にはしっかりした印象を受けました。
また、レストランのサービスはとてもていねい。日本からすでに進出している塾、公文も訪ねたのですが、学習レベルは高く、そもそも子どもたちが生き生きと学んでいる姿が印象的で、かつて高度経済成長期にあった日本を見ている思いがしました。
それは通りを走る車のせいだったかもしれません。なぜかといえば、少し前の年式の日本車が走り回っていたからです。つまりそれらは中古車なのです。
ミャンマーでは中国製の新車と日本の中古車はほぼ同じ値段のようですが、大方の人々は日本の中古車を選ぶのだそうです。壊れないからというのがその理由です。現地の人によると、車に限らず、日本製品に対する信頼は高く、憧れの存在だといいます。
こういう話を聞くと素直にうれしくなってきますが、誰でも車を買えるかというとそうではありません。それは月収を考えるとわかります。ふつうの人々の月収は月1万円くらい。マネージャークラスで4〜5万円なのです。ガソリンは1ガロン(3.7ℓ)当たり100円ほどですが、月収から考えると1ℓ1,000円くらいに相当するでしょうか。
ちなみに2012年統計による国民一人当たりの名目GDPは834ドルで世界159位(日本は46,735ドルで13位)。でも、それが伸び代を感じさせてもくれ、先々の可能性を大きく秘めた国だと思わずにはいられませんでした。
さて、次回はミャンマーのコピー機市場についてレポートします。
機械はかなり古いものでしたが、仕事ぶりはとてもていねいでした。家族的な雰囲気が印象的でした。
2013年5月1日 6:34 PM