電力自由化のメリットってなに?
前号では電力自由化の概要をご紹介しました。来年の4月からはいよいよ全面自由化となり、小規模な事業所や商店、一般家庭も電力会社を好みで変更できるようになります。今回は、その自由化によってどんなメリットが得られるのか、具体的にみてみました。
お得な電力プランが選べる
電力はこれまでのような大手会社が地域を独占することはなくなり、さまざまな企業が地域の枠を超えて電力の販売を始めます。電力会社は自由に電気代を設定でき、消費者はより安い電力会社を選ぶことができます。
また、省エネ住宅と電力を組み合わせて販売することで割り引きしたり、ガスや携帯電話など、他分野商品とセットにして割引販売するなど、参入する業者の特性を生かしたお得なプランが登場しています。これにより、消費者はより安く、暮らしに合った料金体系を選ぶことができます。
そんな電力会社の地域独占を見直し、異業種からの電気事業参入を促進して競争を活発化させることを期待して始まったのが2000年の電力小売り自由化です。電力会社の送電部門を別会社化(発送電分離)し、電力事業者の誰もが公平に送電線網を利用できるようにし、住む地域にかかわらず自由に電気を売買できるようにしたのです。
自分の生き方・考えで、会社をチョイス
新電力のなかには、太陽光発発電やバイオマス発電などクリーンエネルギーに特化した電力会社もあります。一方、自治体などが中心となり、地域でつくる電力を地域内に提供する「地産地消」の電力会社も登場しています。
環境問題に関心が深い人はクリーンエネルギーの会社を選んだり、少しでも地域に貢献したいと思えば、その会社から電力を購入することも可能になるのです。
ライフスタイルに合わせた節電が可能
電力会社によっては、よく電気を使う・あまり使わない時間帯、例えば昼間や深夜によって価格が異なる電気料金プランを用意し、その人その人の多様なライフスタイルに合わせたプランを提案しています。
そういうプランに頼らずとも、デジタル式の電力計・スマートメーターを設置することで細かな時間帯ごとに電気使用料を見える化。電気料金が安い曜日や時間帯に家事を集中して行うなどして電気代を能動的に節約することもできます。
資金的に余裕があり太陽光発電装置と充電器を設置できれば、さらに節電は可能です。安い電力会社から電気を買いつつ、晴れた昼間に蓄電し、電気をたくさん使う夕方から夜にかけて蓄電気を使う、あるいは深夜の料金が安い時間帯に蓄電しておき、昼から夕方・夜に備えることもでき、万一、停電しても数日であれば電力の自給自足を実現できます。
プランは多様、まずは比較してみよう
ただ、すでに多くの企業や電力会社がさまざまなプランやサービスの提供を予定しており、自分に合った電力会社を探すのに大いに迷うかもしれません。
早いということはありませんので、気になる電力会社のホームページを見て、少しづつ情報収集を始めましょう。インターネット上には、契約中の料金プランや電気使用量、家族構成などを入力すれば最適プランをシミュレーションできる比較サイトもあります。一度、覗いてみてはいかがでしょうか。
2015年11月3日 1:35 PM