トヨタに学ぶムダの発見法
日本代表する世界的な企業、トヨタ自動車。業績は好調で、営業利益の更新を重ね続けていますが、その裏には「カンバン方式」に代表されるムダを排除する仕事の仕方があります。今回はふだんの業務に活かせるトヨタ式ムダ発見法をネットで見つけましたのでそのポイントをご紹介します。
「7つのムダ」を見つけよう
日々の業務を見つめてみると、生産性を上げるための「主作業」と、価値を生まないけれど必要な「付随作業」、例えば社内向けの資料作成や事務処理作業などのこと、そしてまったくの「ムダ」の3つに分類できます。そのムダを見つけるにはトヨタの製造過程で生まれた手法「7つのムダ」が有効です。
1つめは「つくりすぎのムダ」です。これは必要以上に製品を多くつくっていないかをチェックするということ。会議で必要な資料は3アイテムだけなのに不要なアイテム分まで作成していないかどうか、見直してみてください。
2つめは「手待ちのムダ」。これは人に慌てて指示を出してしまったがために、その仕上がりまで自分が待ちの状態になることを指します。その結果、ムダな時間が生まれてしまうわけですが、こういう待ちは即刻、無くしたいものです。
3つめは「運搬のムダ」です。わかりやすくいえば、頻繁にコピー機を使用するにも関わらず、離れた場所に設置しているケースがこれに当たります。コピー取りにムダな時間がかかっていないでしょうか?
4つめは「加工のムダ」。社内向け資料なのに時間をかけて凝ったデザインにするとか、不要なデータなのに、その収集に時間を費やしていないかをチェックします。
5つめは「在庫のムダ」です。例えば、何年も保存しているのだけれど、結局、一度も使わないデータや書類はないでしょうか? あるいは、使わない文具類が机の上や中を占領していないかどうかもチェックしてみてください。
6つめは「動作のムダ」。これは価値を生まない動きのことです。よく使う資料なのに取り出しにくい引き出しの奥や棚の奥に入れていないでしょうか? 少ない動きで済むよう配置を考えればムダな動作がなくなります。
そして最後は「不良・手直しのムダ」。例えば、修正ややり直しが必要な仕事を改善もせず放置していませんか。そのままにしておくと何度も同じミスを繰り返すことになり、ムダを生んでしまいます。なお、トヨタでは報告や提案は1枚のシートに簡潔にまとめることが習慣化されています。1枚のシートにまとめることをイメージして仕事をすれば、ムダなくスムーズに仕事は進むでしょう。
ムダ削除で生まれた時間はどうする?
こうしたムダのカットで1日8時間かけてやっていた仕事が6時間でできるようになったとします。では、その2時間の余裕をどう使うか。ここが業績アップにつながるかどうかの分かれ道になります。
ひとつの考え方として、人材育成に取り組んだり、セミナーや学習に時間を当て、スキルアップを図るというのはどうでしょう。短期的には生産性向上には貢献はしませんが、長期的な視野に立てば、それらは先々きっと生きてくるはずです。
2015年7月4日 7:53 AM